なおみの肉ボドゲ

お肉とボードゲームのはなしをするよ

お肉レビュー:RRR ビストロ / 六本木

今宵は六本木に佇む RRR ビストロへ。ちなみに店名は「アールアールアールビストロ」ではなく「トリプルアール」と読むらしい。赤を基調とした店内はオシャレ感が漂い、入り口近くにぶら下がっているシャンデリアはワイングラスで出来ていた。フロアマネージャーらしき小柄な男性(眼鏡)と、長身の外国人男性のふたりで回していた。蒸し暑い夜だったので、入店してまずハイネケン エキストラコールドを注文。くわぁあああ冷たい!生き返る!コロナやハイネケンなどのライトな麦酒は最初の一杯にぴったりである。

キンキンに冷えたビールをぐびぐび飲みながら、メニューを吟味。以下を注文。

  • 神戸牛の田舎風パテ
  • 季節野菜の炭火焼 アンチョビソース
  • 熟成黒毛和牛3種盛り合わせ

盛り合わせは基本的に100gずつなのだが、注文する際に「こちらは女性ふたりで召し上がれる量ですので、150gずつに致しましょうか?お値段は1.5倍で計算致します」と小柄眼鏡さんに言われ、こちらは男ふたり女ひとりだったのでそのようにしてもらった。焼き加減は当然ミディアムレア。

注文をしてから改めて店内を観察する。女性ふたり、あるいは男女のカップルばかりだった。席はすべてがハイテーブル・ハイチェアで、これもまた赤色のインテリア。周りが真っ赤で落ち着かないかと思ったが、店内のライティングがやさしく、壁紙に影を落とす様がホッとする空間を創っていた。

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そしてビールを半分ばかり飲み干した頃にアミューズが出てきた。

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小魚の南蛮漬け。この写真だとサイズ感がいまいちわからないが、だいたい中指より少し大きいくらいの長さ。とりあえず頭の部分から食べる。苦味がまったくなくて、強すぎない酸味がとてもおいしい!ツンとした感じがないので、お酢があまり得意じゃない人でも挑戦できるかもしれない。薬味の千切り玉ねぎも辛くなく、シャキシャキとした食感がふにゃりとした小魚と対照的でなかなか良い。ぺろっと完食。

 

ほどなくしてパテ。

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神戸牛の田舎風パテ。厚みは2~3cmほど。どうでもいい豆知識だが、フランス料理のパテというのは本来パイ生地を包んだものである。近年ではあまり見なくなった。こちらのパテ、中身のお肉を包む脂身がおいしく、振ってある粗目のブラックペッパーも美味。なめらかなタイプのパテではなく、荒々しくて「肉だ!」という感じの食感。肉汁の旨さとは違い、お肉の中に脂もぎゅっと混ぜ込んだような口当たり。わたしは付け合せにはまったく手をつけなかったが、同行者はおいしそうにピクルスを食べていた。

 

同行者が2杯目のビールを頼む中、わたしはお水にシフト。こういうお店で「お冷ください」と言うのはなんだか気が引けるな〜 せめて烏龍茶にするべきだったかな〜 と思ったが、まあ良い。20分ほど談笑していたら次の料理が運ばれてきた。

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真っ赤なお皿にどーん!と山盛りの焼き野菜。かぶ、かぼちゃ、じゃがいも、ペポカボチャ(サマースクワッシュとも言う、黄色いズッキーニのようなもの)、ズッキーニ、パプリカ、カリフラワー、玉ねぎ、とうもろこし。色んな種類の野菜が乗っていて、見た目もカラフル。上に乗っている小瓶の中にアンチョビドレッシングが入っていて、このコルクを抜いてかけるわけだが、はっきり言ってこの演出はいらないと思った。オシャレかもしれないが、ヌルヌルの小瓶を掴んでかけると手がオイルまみれになってめんどくさい。小瓶じゃなくていいから、素敵なドレッシング皿に入れてくれればよかったのに… と思いながらかけた。アンチョビドレッシングは基本的に塩気と香りが強いので警戒していたのだが、このアンチョビドレッシングは薄味で全部かけても問題なかった。

お野菜は炭火焼きなので、口に含むととってもいい薫りが広がる。燻製のようなスモーキーさに、シンプルなお野菜の味が本当によく合う。個人的にはとうもろこしが一番おいしくて、口に入れたらまずは炭の香りがして、舌が当たるところからはアンチョビドレッシングのほのかな塩気、そして噛むともろこしの強い甘み。控えめに言って最高。肉レポの取材で来たのに、焼きとうもろこしに大興奮してしまうわたしだった。

 

ここからメインのお肉まで30分ほど待ったと思う。同行者の職場の闇を肴にお水をちびちび飲んでいたら、ようやく小柄眼鏡さんが肉を持ってきてくれた。「きたー!!!」とテンションがうなぎのぼり。

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左から:黒毛和牛サーロイン、神戸牛ウチモモ、黒毛和牛肩三角。上にあるのが岩塩、レモンのマリネ、西洋わさび。肉のレポに入る前に、まずはレモンのマリネの説明。自家製らしく、レモンを皮ごと使っていて、皮特有のほんのりとした苦味があるのが特徴的だった。じつにおいしかった。


さて、肉。サーロインから手をつける。切ると綺麗なピンク色!思ったよりもサシが少なく、脂身が苦手なわたしは大歓喜。やわらかい!うまい!レモンのマリネをちょっと乗せると、レモンの爽快感とサーロインの重厚感のある旨みがうまく合わさって全然もたれない。そして一番最高なのが、炭火焼きの薫り。上記のお野菜よりも力強く薫りが鼻から抜けてゆく。たまらん。

次にウチモモ。わたくし、肉の部位の中ではモモのあたりが一番好きなので期待が高まる。おそるおそるナイフを入れる…。

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ファーーー!!!!!と声が出る。エロい!エロすぎる!!なんで肉の赤色ってこんなにエロいの!口に入れるとまず炭火の薫りがガツンときて、歯を入れると赤身のしっかりとした歯ごたえ!「ああ…牛の味だ…」と低能なコメントしか出てこない。もう何もつけなくてもいい。つけても塩だけ。しあわせだ…。

最後に肩三角。サシは入っているが、身がぎゅっと締まっていてくどくない。肩三角は焼きすぎると硬くなってしまうのだが、このお肉はしっとりしていて大変美味であった。同行者いわく、一番西洋わさびに合うとのこと。

 

以上で食事は終了!肉以外の料理もおいしく、次は他の前菜も頼んでみたいところ。塊肉は部位の種類が多いわけではないので、高頻度で来ても飽きそう。でも味はおいしいので、しばらく間を開けてから再訪したい。

 

総合:★★★★☆

味:★★★★☆
雰囲気:★★★☆☆
サービス:★★★★☆
コスパ:★★★☆☆

 

コメント:店内の雰囲気はよいものだが、肩肘を張るべきなのか、カジュアルにくるべきなのか、中途半端なところ。というのも、お店自体はそれなりにカジュアルに使えるはずなのに、オシャレ色を強く出していて気軽さが損なわれている。どういう関係性・距離感の人と訪れるべきなのかがちょっとブレていて、判断が難しいところ。

お料理の味はなかなか良い。肉そのものもよかったが、他店との決定的な違いはやはり炭火焼き。そこらの炭火焼きよりも薫りがよかったように思える。サービスも悪くなく、あまり待たせることもなかった。グラスワインの種類もなかなか豊富なのが大きなプラス点!よくお店に行くと、ボトルワインは充実しているのにグラスワインは赤白各2種類ずつしか置いてないところもあるが(お店によってはハウスワイン一択のところも)、ここは赤白ロゼが各3〜4種類ずつあって大変よかった。

お肉レビュー:赤身じゃんか / 赤坂

『赤身じゃんか』には2度訪れた。肉会仲間にメンバー屈指のグルメ王子がいるのだが、彼が「一生シャトーブリアンを食べて生きていきたい」と言うものなので、赤身肉が食べれるかつおいしいシャトーブリアンを置いている店を探して辿り着いたのが『赤身じゃんか』であった。赤坂の駅の喧騒から少し離れたところに位置するこのお店はなかなか落ち着いていて、煙もあまり出ないのでとても利用しやすい。おいしいしコスパも悪くなかったので、翌月のとある金曜の夜に再訪した。

このお店はサンチュ食べ放題で、座るとまず野菜が入った桶と特製味噌が出てくる。この桶にはサンチュの他にも薄く剥いた大根やにんじんも入っているのだが、この大根がおいしいこと。とてもみずみずしくて甘い。正直な話、赤身にサンチュはあまりいらないのでは、とも思ったのだが、ここは注文した品が出てくるのがけっこう遅いので待ち時間にサンチュに味噌をつけてむしゃむしゃ食らうのも良い。

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以下、頼んだもの。

  • 白菜キムチ
  • 冷菜3点盛り
  • 瞬殺3秒ロース
  • 元祖!本生わさびカルビ
  • 特選和牛赤身5点盛り合わせ
  • シャトーブリアン
  • 厚切りタン

最初は白菜キムチ。韓国料理を頻繁に食べて育ったわたしはキムチにはけっこううるさくて、お店で甘いキムチが出る度に眉をひそめていたのだが、ここのキムチはほどよく辛くておいしい。良い口直しになる。

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次に冷菜3点盛り。

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中身は左から豆もやしナムル、ぶつ切りロース、センマイ刺し。

まずは豆もやしナムルを口にすると、なんだかいつもと違う味がする。なんだこの味… と何度か口にして気づく。ここの豆もやしナムルには生姜が入っている!これは珍しい。ごま油でギトギトなわけでもなく、味の素がたくさん入っているような味でもない。シンプルなおいしさで箸が止まらない。

真ん中のぶつ切りロースは炙りユッケみたいな感じになっていて、大変美味であった。少し弾力のある生肉のやわらかさに、卵黄を混ぜた甘めのタレがよく絡んでいる。

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センマイ刺しは下処理がしっかりされていて臭みがなかったが、酢味噌が思ったよりも塩気が強かったので、最初に少し混ぜて均一に酢味噌が行き渡るようにすると良いかもしれない。

 
ここからしばらく待って(ドリンクまるまる1杯分くらいの時間)、次に出てきたのが3秒ロース。「片面3秒ずつ焼いてからお召し上がりください」と言われたが、生肉好きのわたしはちょっとだけズルをして2秒でお口にインしてしまった。じ、自己責任で…。

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ほんのりと色を変えただけのロースを卵にくぐらせて食べると、タレがじゅわっと口いっぱいに広がる。至福…!!

 

あまり時間を置かずに次に本生わさびカルビが運ばれてきた。「トングでカルビの山を剥がして焼いていってください」と言われ、わさびが挟まれた肉の山を崩していく。

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生わさびとおろし金を渡された。わさび好きの同行者をすりおろし担当に任命し、わたしは焼きに専念する。わさびが絡んでいるお肉をさっと焼き、その上にすりおろしたわさびを乗せる。わさび好きの人たちは肉を口に含んだあと、さらにわさびを箸ですくって食べていた。究極の追いわさびだ。同行者いわく、すりおろしたての生わさびなので「甘くておいしい」とのこと。回らないお寿司屋に行ってもサビ抜きにしてもらうくらいわさびが苦手なわたしは「甘いわけないだろ」と思いつつすりおろしたてわさびを口にしたが、鼻がツーンとして涙目になった。やっぱり甘くねえじゃねえか、と思ったが、「(普通のチューブわさびとかに比べたら)甘くておいしい」という意味だったらしい。肉とわさびは本当に最高なんだ、とわたし以外の人間が絶賛していたので、おそらくおいしいのだろう、ここの生わさびは。

 

さてここからまたドリンク2杯分くらいの時間を空けてからようやく赤身5点盛り合わせが運ばれてきた。『赤身じゃんか』に2度訪れて2度とも頼んだが、微妙にラインアップが変わってた。

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この日はらんぷ、肩三角、芯々、いちぼ、友三角。らんぷから反時計回り順に食べてください、と言われる。わたしのお気に入りはやはり芯々!芯々はマルシン(シンタマとも言う)というもも肉の部分の中央にある赤身肉で、もも肉本来の歯ごたえがあるのだが、キメが細やかで食べやすい。何もつけずにそのままいただいたのだが、肉汁が本当にすごかった。これぞ赤身!という感じの力強い旨味が溢れ出していて、語彙力をすっかりとなくしてしまったわたしは「おーいしい… おいしいー…」しか言ってなかった。

ぐるりと順番に焼いて(全部食感や肉汁の出方が違っていておいしかった)、最後は友三角。友三角というのは上記の芯々・シンタマの外側についているお肉で、他の部位よりも脂が乗っている。赤身至上主義のわたしにはほんの少しばかり脂が強かったが、同行者は先ほどのわさびを乗せておいしそうに食べていた。

ちなみに別日では芯々の代わりに亀の甲(カメノコ)が出てきた。

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亀の甲は友三角のすぐ横についている部位で、肉が柔らかく脂が少ない。赤身の旨味がぎゅっと凝縮されたような味で、脂が少ないゆえに焼きすぎるとすぐに固くなってしまうので注意。

 

赤身食べ比べのあとはいよいよシャトーブリアン

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運ばれた瞬間「うおおおおお…!」とテーブルが盛り上がった。ぶ、分厚い!5〜6切れになっているのだが、見よ、この厚さを!この肉の断面をッ!!

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焼きに情熱がこもる。目線を肉と水平にして、肉の断面の半分ほどまで火を通す。塊をひっくり返し、さっと表面に焼き色をつけて、次にコロコロと転がしサイドの面も焼く。なおわたしは専門的な肉焼きの技術はほぼ皆無であり、自己流で焼いているだけだ。それでも最高にうまいから問題ない。全員で同時に1切れずつぱくり。

「!!!!!!!!」

目を見開いてお互いを見る。ウフフフフ、と思わず笑いがもれる。う、うまい…!!歯がすっと入って、絹豆腐か!?ってくらいやわらかい(例えが悪すぎる)。でも本当に、何の力もいらない。先程のパワフルな歯ごたえと旨味の芯々とは打って変わって、とっても繊細。すっと噛めるが、サシ肉のしつこさはまるでなく、これがシャトーブリアンの力… と感動した。会社の焼肉会でシャトーブリアン以外口にしなかったというグルメ王子も「これはいいシャトーブリアンだ」と言っていたのできっと間違いない。2度目に訪れた際も頼んだが、変わらずおいしくて、安定的においしい高級部位を提供できる『じゃんか』に感心した(なおまだサンプル数は n=2)。


シャトーブリアンの興奮が落ち着いてきた頃に厚切りタンが運ばれてきた。

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写真からでは見えづらいが、名前の通りちゃんと肉厚だった。固くならないようにさっと焼き、レモンをきゅっと絞っていただく。う、うまい!食感はどちらかといえばプリッとしたものではなく、厚切りならではの歯ごたえで、しかしタン特有の「しゃく」っとした歯切れの良さは健在。大変おいしい。この時点でわたしはだいぶお腹がいっぱいで、2切れしか食べれなかったのが悔やまれる。もっと食べたかった…!(再訪フラグ)

 

いや〜〜大変満足でした。使いやすいし、ここは安定のリピートになりそう。めちゃくちゃお腹いっぱいになった。シャトーブリアンは6000円くらいで、だいたい1切れ1000円くらいの値段。でも1切れで2〜3口はいけるので別段高いとは思わなかったくらいの満足感であった。

 

総合:★★★★☆


味:★★★★☆

雰囲気:★★★☆☆

サービス:★★☆☆☆

コスパ:★★★★☆

 

コメント:このクオリティでこの値段はコスパ的にそこそこいい方だと思う。高級銘柄牛というわけではないが、上質なお肉で旨味もしっかりあった。店員さんは呼べばすぐに来るし愛想も悪くないのだが、残念ながらサービスが遅い。肉を切って用意するのに時間がかかるのはわかるが、それにしてもちょっと待ち時間が長すぎた。ドリンクも提供時間にムラがあって、かなり待たされた時も何回かあった。しかし総合的には満足のお店だし、「おいしい赤身肉が食べたい」という人がいるならおすすめしたい。店内もシンプルな内装で綺麗に保たれているため、ひとり6〜7000円くらいの価格帯で肩肘張らずにゆっくり食べることができる。

 

HANABI ボドゲレビュー - 協力して花火を打ち上げろ!

HANABI

作者:アントワーヌ・ボザ
人数:2〜5人(おすすめは4人以上)
所要時間:30分〜

サマリ:各色の花火を 1〜5 まで順に打ち上げるゲーム。自分の手札は見れず、他のプレイヤーの手札のみが見える。色か数字をヒントに出しながら相手に正確に花火を打ち上げてもらう。協力ゲームだが「このヒントなら何をするべきかわかるよね?汲み取ってね?」とプレッシャーを与えることもできる。(※心がきれいな人はそんなことしない)

 

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さて、以下説明。

超ざっくりルール説明

  • 協力型ゲーム
  • ゲームの目的:5色ある花火を打ち上げる
  • 各色1〜5まで数字が書いてあるので、1から順番に出していく
  • 自分の手札は見えない(インディアン・ポーカースタイル)
  • ヒントトークンを消費して、チームメイトにヒントを教えることができる
  • ヒントは「色」か「数字」のみを伝えることができる
  • カードを打ち上げたり捨てたり山札から補充して、手札は常に4枚をキープする
  • 敗北条件:お手つき3回

構成としては、各色1が3枚、2〜4が2枚ずつ、5が1枚あるので、5以外だったら多少間違えても大丈夫だし、カードを捨ててヒントトークンを補充することができる。

ただし、上級者向けに虹色(きらきら)カードを追加することもでき、こちらは1〜5がすべて1枚ずつしかないので失敗は許されない。

 

いいところ1:ちゃんと協力型ゲームになってる

どういうことかというと、協力型ゲームと見せかけた殺し合いゲームがこの世には多数存在するんですよ。仮に作者にそういう意図がなくても、わたしみたいな人間はあえて波風を立てるわけなのだけど、『HANABI』はちゃんと協力型ゲームとして成り立っている。殺し合いをしようものなら全員負けるので、みんなで勝つ方法をまじめに考える必要がある。

しかしそれだけではつまらない。本ゲームは協力型プレイではあるが、たいへん煽り合いに適しているからおもしろいのだ以下、わたしが友人たちと遊ぶ時によく飛び交う会話:

P1: 「ヒント出します。これとこれは赤です。」

P2: 「オッケー、これとこれが赤ね」

P1: 「わかるよね?次のターン、何をするべきか、わかるよね?

P2: 「えっ……。」

P1: 「え?今のヒントでわからないの?ほら、よく考えてー?簡単だよね?(ニコッ」

 そして意図したことと違うことをすると大バッシング。「なんでだよ!今のでなんでわからないんだよ!」楽しい。

(※本来であればもっと思いやりをもってプレイするべきゲームです)

 

いいところ2:ヒントの出し方にすごく頭を使う

このゲーム、ヒントの内容ももちろんだが、ヒントを出すタイミングもとても重要になってくる。「今このヒントを出したってことは…!つまり!!」と、チームメイトの意図をうまく読み取って行動をする必要がある。また、順番を考慮して、「次に手札をプレイする人にやることはあるか?」と考える必要がある。

ヒントがなくて「このターンやることがない」という状況に陥った場合、人によって行動が異なるのでめっちゃ面白い。

ケース1:

私「ヒントをもらってない、ということは!わたしの手札はゴミカードばかりだ!これを捨てるッッ!!」 赤5ポイー 

全員「おい!赤5捨てたら取り返しつかないじゃん!どうしてくれるんだ!」

私「だってぇー みんながヒントくれないからぁー (゚σ_゚) ほじほじ」

(※5は1枚しかないので、一度捨ててしまったらもう赤色の花火は完成しなくなる)

 
ケース2:

友「ヒントをもらってないから捨てるの怖いなぁ」

全員「(お前の手札はゴミや…はよ捨てろ…捨てるんだ…)

友「ちょっと捨てるの怖いのでヒント出しまーす」

全員「(このチキンが!!)

 

どっちが良いとかはありません。どっちもありえるので(笑)

ただ、何ターンか見てるとその人のプレイスタイルがわかってくるのがなかなかおもしろい。「あの人はすぐ捨てる傾向にあるから先に教えておこう」とか、「あの人はギャンブルばっかりするから要注意」とか。なおわたしはすぐに捨てるタイプなので、周りが「早くあいつが捨てちまう前に教えるんだ!」ってざわつく。超おもしろい。

 

また、自分の手札は見えないので、教えられたヒントを覚える必要がある。「あれ、これなんだっけ?」と言い出そうものならチームメイトから「馬鹿!」の怒声が飛んでくるであろう。ヒントをメモるのはおもしろくないので、できれば己の記憶力を駆使して覚えてほしい。以下、実際にあったプレイ:

私「どれ覚えてる?」

友「えっと、これが赤で… これが4ってさっきヒントもらったはず!」

私「(逆だ!逆に覚えてるぞ!やばい!)」 

みんなで頭を抱えるけど、もうおかしくておかしくて。「逆だよ逆www」と言うこともできず、その後、この友人は見事に間違ったほうのカードを出して爆死しました (-人-)ちーん

 

いいところ3:カウンティングで脳トレ

各数字が何枚あるのかカードの枚数が決まっているので、山札がなくなってくるとカウンティングができるようになる。見えているカードを数えて、手札にあるだろうカードを予測するスキルだ。

このカウンティング、早い人はすごく早い。カウンティングが遅い人に対して「マダァ?(・∀・ )っ/凵 チンチン」とやるのはいつもの流れ。(※本来であればもっと思いやりをry)

一回こんなことがあった:

友「カウンティング終わった!俺の手札はあと2枚なので、このどちらかが白の1のはずだ!どれだ… どれが正解なんだ!?」

全員「(え、両方白の1なんだけどwww)

友人が真顔で言うもんだから、もうみんなで大笑い。いやいやどっちも正解だよ!と。カウンティングが甘いとみんなに笑われる…かもしれない。

 

いいところ4:自分の手札が見えないからハラハラする

「自分のカードが見えない」という状況はなかなか新鮮で、新しく手札を引いてきたときにみんながクスクス笑い出す時がある。「えっなんか変なの引いた!?」と焦るし自分の手札が気になって仕方がない。

友「これはゴミカードのはずだから捨てる!よし、赤1を捨てたぞ。山札から新しくドロー!」(赤1をまた引く)

全員「(無能だ!)プークスクスw」  

一点注意なのだが、たとえば誰かがどれを出すべきか悩んでいる時に、仮に間違ったほうのカードに手をつけても、顔芸はなるべく控えよう。表情で判断できてしまったら、有益なヒントを出す重要性が薄れてしまうし、個人的にはこのゲームの醍醐味がなくなってしまうと思う。リアクションはできるだけカードがプレイされた後に行おう。

 

まとめ

ルールはシンプルなわりにかなり頭を使うゲームなので、ボードゲーム初心者はもちろん、パーフェクトスコアを狙うガチ勢も楽しめるゲームだと思う。また、仲の良い者同士で遊ぶと煽り合いができるのでなかなかおもしろい。

わたしが初心者に教えるときは「各色が何枚出ているのかを把握しておくこと」「大事なカードは早めにヒントを出してあげること」「だれにヒントを出すべきか優先順位を考えること」の3点を忘れないようにしてもらいます。

ヒントトークンがなくなってしまった時など、場合によっては勘にまかせてカードを打ち上げたり捨てたりする必要も出てくるのだが、ここで見事に正しいカードを出すとみんなで「おおお!!」って盛り上がれるし、逆に捨てちゃいけないカードを捨てたりすると「あああ…」って脱力する感じが一体感あって欲しい。

ぜひ仲間のみんなと綺麗な『花火』を打ち上げてください!

お肉レビュー:鳥つね自然洞 / 末広町

その日、PC ゲーにドハマりしていたわたしは秋葉原にてヘッドセットを探し求めていた。どれも一緒に見えたので適当にひとつ買った後、今度は夕飯を求めて街をふらつく。そんなとき、知り合いから「ここに行ってみてよ」と送られてきたお店が『鳥つね自然洞』であった。

秋葉原の喧騒を離れ、末広町に向かい、ひっそりと佇むお店を見つける。両側の店はシャッターが閉まっているのに、『鳥つね』の看板はライトアップされていた。

「あっ… これ入りづらいやつ…」と一瞬思ったが、そんなことを気にしていたらおいしい肉にはありつけぬ。T シャツ、ジーパン、スニーカー、リュック。片手にはヨドバシの袋。ヘッドセットが入ったビニールがガサガサと音を立てるが、気にしない。こういうのは恥ずかしがったら負けだ、と思い、引き戸をあけ、暖簾に手をかけ、高らかに「ひとりです!」と宣言しながら入店。「あ、はい、では、えっと、こちらに…」とどぎまぎする女将さんにカウンター席に通される。よし、先手必勝。隣の席には同伴と思わしき男女が座っていた。ビールを注ぐ東南アジア系の女性を「じょうず!じょうず!」と男性の方がひたすら褒めていた。

さて、注文。頼んだものは:

烏龍茶は瓶入りのものだった。グラスが冷えている。よい。

次に鳥刺し。「完全に生のものですので、お早目にお召し上がりください」と言われて出された。

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左手前から時計回りにささみ、砂肝、レバー。付け合せはわさびと醤油。

ささみは思ったよりもやわらかく、淡白な味わいが広がる。砂肝は食感が楽しい。焼いたものよりもゴリゴリしている気がする。レバーは濃厚!もともとあまりレバーは好きではないのだが、臭みがなく、とてもおいしかった。

 

次に小親子丼。ちなみにフルサイズの親子丼だと鳥スープやお新香がつくようだ。

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とっっっっろとろ!すごい!鶏肉はけっこう大きめのぶつ切りで入っていて、食べごたえがある。出汁は思ったよりも味が濃くてしっかりしている。かなり甘めの出汁だ。出汁を吸ったお米と、半熟卵を、こう、かきこんで… ふあーーー。うまい!あっという間に完食。(食べている間もずっと隣の男性の方が「ビールを注ぐタイミングがうまいねぇ」「泡が絶妙だねぇ」とおっしゃっていて、ビールしか褒めるもんないのかよ、と思ったのは内緒)

 

満足でした。合計3000円くらい。元気よく「ごちそうさま!」と退店したら、暖簾の前で大学生っぽい男子がふたり立ち尽くしていた。門構えにびびっているのだろうと察したわたしは「おいしいですよ!」と声をかけた。「あっ…ども…」と怯えた目で見られたが、あのふたりは果たして親子丼にありつけたのだろうか。

 

総合:★★★☆☆

味:★★★★☆
雰囲気:★★☆☆☆
サービス:★★★☆☆
コスパ:★★★☆☆


コメント:素敵なカウンターだったのに、入り口横のテーブル席に物が積み上げられていたのが少し気になった。せっかくきれいなお店なんだから片付けてほしかったなぁ。あとどうやらわたしの隣に座っていた男性の方は常連さんらしく、女将さんや大将と雑談していたのだが、途中から女将さんが大笑いしながら「○○ちゃん元気?えー?やだぁ〜〜」と井戸端会議よろしく喋り続けていたので少し居心地が悪かった。とはいえ、食べ終わったら皿も下げてくれたし、呼べば対応もしてくれたので、サービスの質が悪いわけではなかった。鳥刺しがおいしかったので、再訪したい。次は串物も頼んでみたい。