なおみの肉ボドゲ

お肉とボードゲームのはなしをするよ

お肉レビュー:赤身じゃんか / 赤坂

『赤身じゃんか』には2度訪れた。肉会仲間にメンバー屈指のグルメ王子がいるのだが、彼が「一生シャトーブリアンを食べて生きていきたい」と言うものなので、赤身肉が食べれるかつおいしいシャトーブリアンを置いている店を探して辿り着いたのが『赤身じゃんか』であった。赤坂の駅の喧騒から少し離れたところに位置するこのお店はなかなか落ち着いていて、煙もあまり出ないのでとても利用しやすい。おいしいしコスパも悪くなかったので、翌月のとある金曜の夜に再訪した。

このお店はサンチュ食べ放題で、座るとまず野菜が入った桶と特製味噌が出てくる。この桶にはサンチュの他にも薄く剥いた大根やにんじんも入っているのだが、この大根がおいしいこと。とてもみずみずしくて甘い。正直な話、赤身にサンチュはあまりいらないのでは、とも思ったのだが、ここは注文した品が出てくるのがけっこう遅いので待ち時間にサンチュに味噌をつけてむしゃむしゃ食らうのも良い。

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以下、頼んだもの。

  • 白菜キムチ
  • 冷菜3点盛り
  • 瞬殺3秒ロース
  • 元祖!本生わさびカルビ
  • 特選和牛赤身5点盛り合わせ
  • シャトーブリアン
  • 厚切りタン

最初は白菜キムチ。韓国料理を頻繁に食べて育ったわたしはキムチにはけっこううるさくて、お店で甘いキムチが出る度に眉をひそめていたのだが、ここのキムチはほどよく辛くておいしい。良い口直しになる。

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次に冷菜3点盛り。

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中身は左から豆もやしナムル、ぶつ切りロース、センマイ刺し。

まずは豆もやしナムルを口にすると、なんだかいつもと違う味がする。なんだこの味… と何度か口にして気づく。ここの豆もやしナムルには生姜が入っている!これは珍しい。ごま油でギトギトなわけでもなく、味の素がたくさん入っているような味でもない。シンプルなおいしさで箸が止まらない。

真ん中のぶつ切りロースは炙りユッケみたいな感じになっていて、大変美味であった。少し弾力のある生肉のやわらかさに、卵黄を混ぜた甘めのタレがよく絡んでいる。

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センマイ刺しは下処理がしっかりされていて臭みがなかったが、酢味噌が思ったよりも塩気が強かったので、最初に少し混ぜて均一に酢味噌が行き渡るようにすると良いかもしれない。

 
ここからしばらく待って(ドリンクまるまる1杯分くらいの時間)、次に出てきたのが3秒ロース。「片面3秒ずつ焼いてからお召し上がりください」と言われたが、生肉好きのわたしはちょっとだけズルをして2秒でお口にインしてしまった。じ、自己責任で…。

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ほんのりと色を変えただけのロースを卵にくぐらせて食べると、タレがじゅわっと口いっぱいに広がる。至福…!!

 

あまり時間を置かずに次に本生わさびカルビが運ばれてきた。「トングでカルビの山を剥がして焼いていってください」と言われ、わさびが挟まれた肉の山を崩していく。

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生わさびとおろし金を渡された。わさび好きの同行者をすりおろし担当に任命し、わたしは焼きに専念する。わさびが絡んでいるお肉をさっと焼き、その上にすりおろしたわさびを乗せる。わさび好きの人たちは肉を口に含んだあと、さらにわさびを箸ですくって食べていた。究極の追いわさびだ。同行者いわく、すりおろしたての生わさびなので「甘くておいしい」とのこと。回らないお寿司屋に行ってもサビ抜きにしてもらうくらいわさびが苦手なわたしは「甘いわけないだろ」と思いつつすりおろしたてわさびを口にしたが、鼻がツーンとして涙目になった。やっぱり甘くねえじゃねえか、と思ったが、「(普通のチューブわさびとかに比べたら)甘くておいしい」という意味だったらしい。肉とわさびは本当に最高なんだ、とわたし以外の人間が絶賛していたので、おそらくおいしいのだろう、ここの生わさびは。

 

さてここからまたドリンク2杯分くらいの時間を空けてからようやく赤身5点盛り合わせが運ばれてきた。『赤身じゃんか』に2度訪れて2度とも頼んだが、微妙にラインアップが変わってた。

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この日はらんぷ、肩三角、芯々、いちぼ、友三角。らんぷから反時計回り順に食べてください、と言われる。わたしのお気に入りはやはり芯々!芯々はマルシン(シンタマとも言う)というもも肉の部分の中央にある赤身肉で、もも肉本来の歯ごたえがあるのだが、キメが細やかで食べやすい。何もつけずにそのままいただいたのだが、肉汁が本当にすごかった。これぞ赤身!という感じの力強い旨味が溢れ出していて、語彙力をすっかりとなくしてしまったわたしは「おーいしい… おいしいー…」しか言ってなかった。

ぐるりと順番に焼いて(全部食感や肉汁の出方が違っていておいしかった)、最後は友三角。友三角というのは上記の芯々・シンタマの外側についているお肉で、他の部位よりも脂が乗っている。赤身至上主義のわたしにはほんの少しばかり脂が強かったが、同行者は先ほどのわさびを乗せておいしそうに食べていた。

ちなみに別日では芯々の代わりに亀の甲(カメノコ)が出てきた。

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亀の甲は友三角のすぐ横についている部位で、肉が柔らかく脂が少ない。赤身の旨味がぎゅっと凝縮されたような味で、脂が少ないゆえに焼きすぎるとすぐに固くなってしまうので注意。

 

赤身食べ比べのあとはいよいよシャトーブリアン

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運ばれた瞬間「うおおおおお…!」とテーブルが盛り上がった。ぶ、分厚い!5〜6切れになっているのだが、見よ、この厚さを!この肉の断面をッ!!

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焼きに情熱がこもる。目線を肉と水平にして、肉の断面の半分ほどまで火を通す。塊をひっくり返し、さっと表面に焼き色をつけて、次にコロコロと転がしサイドの面も焼く。なおわたしは専門的な肉焼きの技術はほぼ皆無であり、自己流で焼いているだけだ。それでも最高にうまいから問題ない。全員で同時に1切れずつぱくり。

「!!!!!!!!」

目を見開いてお互いを見る。ウフフフフ、と思わず笑いがもれる。う、うまい…!!歯がすっと入って、絹豆腐か!?ってくらいやわらかい(例えが悪すぎる)。でも本当に、何の力もいらない。先程のパワフルな歯ごたえと旨味の芯々とは打って変わって、とっても繊細。すっと噛めるが、サシ肉のしつこさはまるでなく、これがシャトーブリアンの力… と感動した。会社の焼肉会でシャトーブリアン以外口にしなかったというグルメ王子も「これはいいシャトーブリアンだ」と言っていたのできっと間違いない。2度目に訪れた際も頼んだが、変わらずおいしくて、安定的においしい高級部位を提供できる『じゃんか』に感心した(なおまだサンプル数は n=2)。


シャトーブリアンの興奮が落ち着いてきた頃に厚切りタンが運ばれてきた。

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写真からでは見えづらいが、名前の通りちゃんと肉厚だった。固くならないようにさっと焼き、レモンをきゅっと絞っていただく。う、うまい!食感はどちらかといえばプリッとしたものではなく、厚切りならではの歯ごたえで、しかしタン特有の「しゃく」っとした歯切れの良さは健在。大変おいしい。この時点でわたしはだいぶお腹がいっぱいで、2切れしか食べれなかったのが悔やまれる。もっと食べたかった…!(再訪フラグ)

 

いや〜〜大変満足でした。使いやすいし、ここは安定のリピートになりそう。めちゃくちゃお腹いっぱいになった。シャトーブリアンは6000円くらいで、だいたい1切れ1000円くらいの値段。でも1切れで2〜3口はいけるので別段高いとは思わなかったくらいの満足感であった。

 

総合:★★★★☆


味:★★★★☆

雰囲気:★★★☆☆

サービス:★★☆☆☆

コスパ:★★★★☆

 

コメント:このクオリティでこの値段はコスパ的にそこそこいい方だと思う。高級銘柄牛というわけではないが、上質なお肉で旨味もしっかりあった。店員さんは呼べばすぐに来るし愛想も悪くないのだが、残念ながらサービスが遅い。肉を切って用意するのに時間がかかるのはわかるが、それにしてもちょっと待ち時間が長すぎた。ドリンクも提供時間にムラがあって、かなり待たされた時も何回かあった。しかし総合的には満足のお店だし、「おいしい赤身肉が食べたい」という人がいるならおすすめしたい。店内もシンプルな内装で綺麗に保たれているため、ひとり6〜7000円くらいの価格帯で肩肘張らずにゆっくり食べることができる。