なおみの肉ボドゲ

お肉とボードゲームのはなしをするよ

お肉レビュー:RRR ビストロ / 六本木

今宵は六本木に佇む RRR ビストロへ。ちなみに店名は「アールアールアールビストロ」ではなく「トリプルアール」と読むらしい。赤を基調とした店内はオシャレ感が漂い、入り口近くにぶら下がっているシャンデリアはワイングラスで出来ていた。フロアマネージャーらしき小柄な男性(眼鏡)と、長身の外国人男性のふたりで回していた。蒸し暑い夜だったので、入店してまずハイネケン エキストラコールドを注文。くわぁあああ冷たい!生き返る!コロナやハイネケンなどのライトな麦酒は最初の一杯にぴったりである。

キンキンに冷えたビールをぐびぐび飲みながら、メニューを吟味。以下を注文。

  • 神戸牛の田舎風パテ
  • 季節野菜の炭火焼 アンチョビソース
  • 熟成黒毛和牛3種盛り合わせ

盛り合わせは基本的に100gずつなのだが、注文する際に「こちらは女性ふたりで召し上がれる量ですので、150gずつに致しましょうか?お値段は1.5倍で計算致します」と小柄眼鏡さんに言われ、こちらは男ふたり女ひとりだったのでそのようにしてもらった。焼き加減は当然ミディアムレア。

注文をしてから改めて店内を観察する。女性ふたり、あるいは男女のカップルばかりだった。席はすべてがハイテーブル・ハイチェアで、これもまた赤色のインテリア。周りが真っ赤で落ち着かないかと思ったが、店内のライティングがやさしく、壁紙に影を落とす様がホッとする空間を創っていた。

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そしてビールを半分ばかり飲み干した頃にアミューズが出てきた。

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小魚の南蛮漬け。この写真だとサイズ感がいまいちわからないが、だいたい中指より少し大きいくらいの長さ。とりあえず頭の部分から食べる。苦味がまったくなくて、強すぎない酸味がとてもおいしい!ツンとした感じがないので、お酢があまり得意じゃない人でも挑戦できるかもしれない。薬味の千切り玉ねぎも辛くなく、シャキシャキとした食感がふにゃりとした小魚と対照的でなかなか良い。ぺろっと完食。

 

ほどなくしてパテ。

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神戸牛の田舎風パテ。厚みは2~3cmほど。どうでもいい豆知識だが、フランス料理のパテというのは本来パイ生地を包んだものである。近年ではあまり見なくなった。こちらのパテ、中身のお肉を包む脂身がおいしく、振ってある粗目のブラックペッパーも美味。なめらかなタイプのパテではなく、荒々しくて「肉だ!」という感じの食感。肉汁の旨さとは違い、お肉の中に脂もぎゅっと混ぜ込んだような口当たり。わたしは付け合せにはまったく手をつけなかったが、同行者はおいしそうにピクルスを食べていた。

 

同行者が2杯目のビールを頼む中、わたしはお水にシフト。こういうお店で「お冷ください」と言うのはなんだか気が引けるな〜 せめて烏龍茶にするべきだったかな〜 と思ったが、まあ良い。20分ほど談笑していたら次の料理が運ばれてきた。

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真っ赤なお皿にどーん!と山盛りの焼き野菜。かぶ、かぼちゃ、じゃがいも、ペポカボチャ(サマースクワッシュとも言う、黄色いズッキーニのようなもの)、ズッキーニ、パプリカ、カリフラワー、玉ねぎ、とうもろこし。色んな種類の野菜が乗っていて、見た目もカラフル。上に乗っている小瓶の中にアンチョビドレッシングが入っていて、このコルクを抜いてかけるわけだが、はっきり言ってこの演出はいらないと思った。オシャレかもしれないが、ヌルヌルの小瓶を掴んでかけると手がオイルまみれになってめんどくさい。小瓶じゃなくていいから、素敵なドレッシング皿に入れてくれればよかったのに… と思いながらかけた。アンチョビドレッシングは基本的に塩気と香りが強いので警戒していたのだが、このアンチョビドレッシングは薄味で全部かけても問題なかった。

お野菜は炭火焼きなので、口に含むととってもいい薫りが広がる。燻製のようなスモーキーさに、シンプルなお野菜の味が本当によく合う。個人的にはとうもろこしが一番おいしくて、口に入れたらまずは炭の香りがして、舌が当たるところからはアンチョビドレッシングのほのかな塩気、そして噛むともろこしの強い甘み。控えめに言って最高。肉レポの取材で来たのに、焼きとうもろこしに大興奮してしまうわたしだった。

 

ここからメインのお肉まで30分ほど待ったと思う。同行者の職場の闇を肴にお水をちびちび飲んでいたら、ようやく小柄眼鏡さんが肉を持ってきてくれた。「きたー!!!」とテンションがうなぎのぼり。

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左から:黒毛和牛サーロイン、神戸牛ウチモモ、黒毛和牛肩三角。上にあるのが岩塩、レモンのマリネ、西洋わさび。肉のレポに入る前に、まずはレモンのマリネの説明。自家製らしく、レモンを皮ごと使っていて、皮特有のほんのりとした苦味があるのが特徴的だった。じつにおいしかった。


さて、肉。サーロインから手をつける。切ると綺麗なピンク色!思ったよりもサシが少なく、脂身が苦手なわたしは大歓喜。やわらかい!うまい!レモンのマリネをちょっと乗せると、レモンの爽快感とサーロインの重厚感のある旨みがうまく合わさって全然もたれない。そして一番最高なのが、炭火焼きの薫り。上記のお野菜よりも力強く薫りが鼻から抜けてゆく。たまらん。

次にウチモモ。わたくし、肉の部位の中ではモモのあたりが一番好きなので期待が高まる。おそるおそるナイフを入れる…。

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ファーーー!!!!!と声が出る。エロい!エロすぎる!!なんで肉の赤色ってこんなにエロいの!口に入れるとまず炭火の薫りがガツンときて、歯を入れると赤身のしっかりとした歯ごたえ!「ああ…牛の味だ…」と低能なコメントしか出てこない。もう何もつけなくてもいい。つけても塩だけ。しあわせだ…。

最後に肩三角。サシは入っているが、身がぎゅっと締まっていてくどくない。肩三角は焼きすぎると硬くなってしまうのだが、このお肉はしっとりしていて大変美味であった。同行者いわく、一番西洋わさびに合うとのこと。

 

以上で食事は終了!肉以外の料理もおいしく、次は他の前菜も頼んでみたいところ。塊肉は部位の種類が多いわけではないので、高頻度で来ても飽きそう。でも味はおいしいので、しばらく間を開けてから再訪したい。

 

総合:★★★★☆

味:★★★★☆
雰囲気:★★★☆☆
サービス:★★★★☆
コスパ:★★★☆☆

 

コメント:店内の雰囲気はよいものだが、肩肘を張るべきなのか、カジュアルにくるべきなのか、中途半端なところ。というのも、お店自体はそれなりにカジュアルに使えるはずなのに、オシャレ色を強く出していて気軽さが損なわれている。どういう関係性・距離感の人と訪れるべきなのかがちょっとブレていて、判断が難しいところ。

お料理の味はなかなか良い。肉そのものもよかったが、他店との決定的な違いはやはり炭火焼き。そこらの炭火焼きよりも薫りがよかったように思える。サービスも悪くなく、あまり待たせることもなかった。グラスワインの種類もなかなか豊富なのが大きなプラス点!よくお店に行くと、ボトルワインは充実しているのにグラスワインは赤白各2種類ずつしか置いてないところもあるが(お店によってはハウスワイン一択のところも)、ここは赤白ロゼが各3〜4種類ずつあって大変よかった。